自動車やそれに伴う部品・産業機械・電化製品・半導体などの製造業では、多様な部署・職種が関わり合いながら各プロジェクトを進めていきます。多数の関連企業が参加し、多数のプロジェクトが並行して進行していくことも珍しくありません。そこで重要なのがプロジェクトマネジメントです。製造業におけるプロジェクトマネジメントの課題とポイント、効率と品質をあげるための手法をご紹介していきます。
プロジェクトマネジメントとは
決められた納期・予算で完了するように、プロジェクトの計画を管理するのが「プロジェクトマネジメント」です。部門ごとにコストやスケジュールを確認し、人材の確保やタスク管理を行います。
プロジェクトマネジメントでやるべきこと
![プロジェクトマネジメント図](/wp-content/uploads/2024/01/project-management_1.jpg-1024x386.jpg)
プロジェクトマネジメントの仕事は、納期・予算から逆算して企画の立ち上げから終結までのスケジュールを立案し、プロジェクトの成功に向けて管理を行っていくことです。特定の部署に負荷が偏らないよう、リスクヘッジやバランスの調整が必要です。
また、製造業には営業・生産管理・製品企画・設計・研究開発・生産技術といった様々な職種が存在します。職種の事業内容によって扱うデータや作業内容は異なるものです。各部署が単に自分たちのタスクをこなすだけでは、情報の行き違いが発生し、プロジェクトが遅延した際に調整が難しくなる場合も多いでしょう。そのため、それぞれの部門で問題や変更が発生していないか、スケジュールに遅延はないかといった点を、プロジェクトマネージャーが確認する必要があります。
プロジェクトマネジメントは細かく情報を管理し、次の部門に連携させることが非常に重要です。この行動が、プロジェクト全体のリスク管理にも繋がっていきます。
プロジェクトマネージャーの役割
プロジェクトマネージャーの役割の一つに、「QCD」と呼ばれるQuality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の管理があります。様々な製品が溢れ、競合との差別化が求められている現代において、品質の向上とコスト削減は切っても切り離せません。製造業は物価高の影響も受けやすく、品質とコストのバランス調整がより重要になります。
また、顧客からの信頼を得るには納期の遵守は必須だと言えます。人材不足の中で、無駄なコストをかけずに納期通りに製品を作ることは、自社を持続的に成長させるためにも欠かせない事項となります。プロジェクトマネージャーは、企業において非常に重要な役割を担っているのです。
さらに、多数の部署が携わるプロジェクトの場合、円滑にプロジェクトを進行するために、メンバーとのコミュニケーションを積極的に図ることも大切です。プロジェクトの定例ミーティングを設けるだけでなく、プロジェクトの進行具合を関係部署に伝え、どこかの部署に負担が偏っていないか、不満がないかどうかを探ることで、プロジェクトが破綻しないよう管理することが求められます。大企業の場合は、部署毎の関係性やパワーバランスによってプロジェクトの進捗に支障をきたすこともあるため、人間関係への配慮も大切です。
もしプロジェクト内でトラブルが発生した場合、プロジェクトマネジャーはその対応策を練り、そこで生じた変更点を次の部署に依頼・連携し、納期までに安全に進行することが求められます。プロジェクト進行中に各部署から変更の要望があれば、その必要性と変更による影響を考え、スケジュールを調整することもあります。
製造業におけるプロジェクトマネジメントの重要性
製造業、特に自動車業界では取り扱う部品が多く、そのデータを管理することが非常に重要です。タイヤ・エンジン・ハンドル・シート・ヘッドライト・メーター・ミラーなど約3万個にものぼる部品が必要な自動車において、プロジェクトマネジメントは困難かつ重要な業務となってきます。
製造業のプロジェクトマネジメントの課題
課題の一つとして、部品だけではなく、部署数の多さが挙げられます。企業によっては、生産管理・製品企画・設計・研究開発・生産技術・マーケティングなどの部署毎に、拠点が異なる場合もあります。海外にも拠点がある企業は、言語や文化が異なることで生じる認識のズレ、時差によって発生する最新情報の行き違いにも注意が必要です。
現場でトラブルや変更事項が生じた際には、それらを正しく・最新情報として残しておかなければ、各部署の連携が取れなくなり、大きなミスに繋がる恐れもあります。
データ管理をExcelで行っている場合、各部署が使っているExcelから別のExcelへの二重・三重入力や、多数のExcelデータが存在して最新情報がどれかわからなくなってしまうことがあります。そうなると、各部署に確認を取り、正しい情報を見つけ出すのは困難です。また、過去案件や関連製品が大量にあることや、Excelの製品データ・仕様書・図面・3Dデータなどさまざまな方式で保存されていることから、探したい情報をすぐに見つけられないのも課題の一つです。
プロジェクトを効率的に円滑に進め、製品のクオリティを上げていくことが求められている中で、データを入力する・探すという作業に時間を取られてしまうのは、時間のロスとなってしまいます。
今後、人口減少で働き手が減る中で、環境対策・安全対策に力を入れた新製品の開発も求められる製造業において、各工程での効率化と情報の集約はプロジェクトマネジメントの重要項目となっていくでしょう。
製造業のプロジェクトマネジメントにおけるポイント
製造業のプロジェクトマネジメントでは部署ごとにバラバラに管理されている製品情報をまとめ、効率よく、かつ正確に案件を管理する必要があります。製品の情報は技術の詳細や図面、その他製品に紐づく情報など多岐に渡ります。そこでそれらの情報を1つのプラットフォームにまとめることで、誰もが最新情報をリアルタイムに把握することが可能になります。
「製造業に安心のプロジェクトマネジメント」とは?
デジタルでプロジェクトマネジメントの効率化と品質向上を図るプラットフォームは多数存在しますが、業界・企業特有の業務や進行に合わせた項目の追加など、カスタマイズができないと現場での浸透に苦労することがあります。営業では使いやすいけれども、生産技術にとっては使いにくいツールでは意味がありません。
JSOL「ものづくリンク」の特徴
業界毎の知見・ノウハウを駆使したDXを推進するJSOLが自社開発したソリューション「ものづくリンク」は、図面や部品表、材料表や生産工程表など各部門で発生する情報を「部品表」に統合することで、品番毎に進捗管理を実施できます。
![](/wp-content/uploads/2024/01/部品表.png)
製造業に必要な機能を標準装備し、企業固有の機能もカスタマイズ可能です。
英語・中国語・インドネシア語・フランス語・チェコ語・トルコ語など多言語対応も行っているため、海外拠点を含めたデータ管理とプロジェクトマネジメントを実現できるのも特徴です。多言語対応やデータアクセス、入力補助コントロールなどは基本機能として備え、品目/部品表やプロジェクト管理は業務モジュールとして用意されています。
データは部署を横断してアクセスが可能なので、各部署に問い合わせをしても担当者次第で返答がなく情報が偏ったり、誤った情報が伝わったりすることはありません。そのため、情報の伝達を早く正しく行うことができます。
またDXというと、ICTに慣れていない人材の不安・不満が懸念されますが、「ものづくリンク」はエクセル同様の表形式でコピー&ペースト、ドラッグ&ドロップ操作が行える、年間カレンダー形式で表示されるなど、ITリテラシーが高くない人材にも使い慣れた操作感でお使いいただくことができます。
「ものづくリンク」導入のメリット
「ものづくリンク」は部品表に開発・設計情報を集約し、関係者全員で共有することを前提とするソリューションです。そのため、ユーザーライセンスフリーや多言語対応はもちろん、タブレットなどを使用し、工場や社外からも使用できます。
検索においては、品番でデータを一括検索ができるため、部署毎や個人毎のフォルダに格納されたExcelや図面を探す必要はなく、業務を効率化します。また情報のソースが1つになることで、二重入力や情報の齟齬、誤情報を防ぐため、リスク管理にも最適です。
部署を横断して進捗を見える化することで、役員やプロジェクトマネージャーも各部署のメンバーも常に製品の進行具合をチェックできます。プロジェクトマネージャーが常に各部署に問い合わせて進捗確認する…といった手間を省くことができ、納期遅延の防止に繋がります。
まとめ
プロジェクトマネジメントにおいて、情報の管理は成功の鍵を握っています。特に多数の部署と部品を管理する必要がある製造業においては、情報管理が今後の企業の行方を左右すると言っても過言ではありません。業種・企業毎にカスタマイズできる「ものづくリンク」を活用して、効率よく品質の高いプロジェクトマネジメントを実施していきましょう。