生産管理システムを導入するメリットとは?他のシステムとの連携はどうする?

生産管理システム連携

生産管理システムは、製造業にとって欠かせないシステムです。生産管理システムの導入によって、生産業務の効率化を図れます。さらなる業務効率向上を目指すためには、製品に関わる全ての業務を一元化するPLMとの連携も欠かせません。

本記事では、生産管理システムについて解説するとともに、連携が欠かせないPLMの基本や両システムの違い、連携するメリットについて解説します。

製造業向けのPLMソリューション「ものづくリンク」における生産管理システムとの連携についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

生産管理システムとは

生産管理システムとは、製造業における生産計画や材料・部品の発注、作業指示、進捗管理などの生産工程から、販売管理や在庫管理、原価管理まで、生産に関わる情報を管理するシステムのことです。

生産管理システムの形態は、企業によって異なりますが、導入することによって生産管理業務におけるさまざまな課題を解決できます。

生産管理業務においては、購買・生産・出荷といった生産工程全般について分析を行い、計画通りに生産できているか・ロスは発生していないかを検証し、今後の改善に活かすことが重要です。

生産管理システムには、納期・価格・在庫・パフォーマンス・スケジュールなどが適正であるかを分析・検証する機能が搭載されており、効率的にPDCAを回していくことができます。 

生産管理システムの導入により、情報共有の円滑化や業務負担の軽減ができ、正確性や生産性の向上も実現できます。

生産管理システムの主な機能

生産管理システムを代表する、7つの機能を紹介します。

・生産計画:見込み需要や受注状況を照らし合わせ、生産計画を立てる
・発注管理:必要な材料や部品を発注し調達する
・作業指示:生産にかかる工数計算を行い、現場に指示する
・進捗管理:生産が計画通りに進んでいるかを管理する
・販売管理:販売計画が予定通りに進んでいるかを管理する
・在庫管理:製品や材料、部品の種類や数量を確認する
・原価管理:製品もしくはロット単位の原価を管理する

このように、生産管理システムは、生産業務を管理する各システムの集合体であることがわかります。

生産管理システム導入のメリット

生産管理システムが最も得意とするのは、情報の可視化やリアルタイムな情報共有です。

紙を使って情報を管理していると、情報の更新が遅れたり、紛失による情報伝達不足が生じたりなど、さまざまなミスが発生しやすくなります。しかし、生産管理システムの情報にアクセスすれば、最新情報をチェックできるため、発注ミスや行き違いを減らせます。

計画や実績、原価などの変化にスピーディーに対応できることも、生産管理システムのメリットです。市場の動向に合わせた需要計画を即時に更新しつつ、在庫情報をチェックし余分な在庫を持たないよう、生産計画や調達計画を立てることができます。

生産管理システムを導入することで、業務におけるムリ・ムダ・ムラがなくなり、生産性の向上が実現できるのです。

PLMとは

「Product Lifecycle Management」の略語であるPLMは、製品のライフサイクル全体をつなぐシステムのことです。

製品ライフサイクルとは、具体的には製品の企画・開発設計から始まり、生産準備・生産技術、生産、材料・部品調達、物流、営業・販売、メンテナンス、廃棄に至るまでの流れです。

IoTやAIなどのデジタル技術の普及により、企業は今、かつてないほど激しい社会変化の真っただ中にいます。企業は、変化する社会に対し、IoTやAIなどを活用しながら、柔軟かつ迅速に対応していくことが求められています。

PLMを導入することで、各部署・各工程の情報をつなぎ、生産性の向上や企業競争力の強化を目指せるのです。

PLMの機能

製品ライフサイクルの各段階の情報を、一元管理できるのがPLMの特徴です。

PLMが一元管理できる情報は、多岐にわたります。製品を構成する部品や材料などをはじめ、テスト結果の管理、コスト算出や技術情報の管理、設計変更情報の管理、設計図面・製品仕様書の管理、ドキュメントの管理なども可能です。開発・設計部門が使用するCADの管理システムと連携し3Dモデルのデータを管理できるPLMも存在します。

PLM導入のメリット

PLMを導入する最大のメリットは、製造業にとって重要な「QCD(品質:Quality、原価:Cost、納期:Delivery)」の最適化を図れることです。

具体的には、製品ライフサイクルの各段階の最新の進捗状況を把握でき、適切な品質の管理が可能となるため、品質の向上が期待できます。材料や部品の原価管理をしながら在庫管理することで、過剰在庫がなくなり、コスト削減にもつながります。

あらゆる部門の担当者がPLMにアクセスし、必要な情報を逐次確認することも可能です。他部門への情報確認のための問い合わせの手間や、問い合わせを受ける側の時間も削減できます。

各所に散っている情報を一元化することができれば、各部門が重複してデータ入力する必要はありません。情報管理のための工数も削減できるため、業務効率化につながり、リードタイムの短縮が実現できるでしょう。

PLMを導入すれば、関連するデータを芋づる式に引き出せることも、メリットとして挙げられます。単体の製品だけでなく、アセンブリされた製品のライフサイクルを確認することも容易になるのです。

PLMと生産管理システムの違い

PLMと生産管理システムの違いを端的に述べると、生産管理システムは生産業務、PLMは製品ライフサイクルの管理といえます。

生産管理システムは、製品の生産計画から始まり、材料・部品の調達や工程管理を経て、出荷や在庫、販売管理に至るまでが管理の対象です。

一方、PLMは、製品のライフサイクルすべてが管理の対象です。生産管理システムの管理する範囲が限定的なのに対し、PLMは製品に関わる全ての業務を包括的に管理できるシステムであるといえるでしょう。

PLMと生産管理システムの連携によって得られる効果

両者のシステムの違いについて理解したところで、PLMと生産管理システムの連携によって得られる、5つの主な効果について紹介します。

情報が一元化される

PLMと生産管理システムを連携すれば、情報の一元化を図れます。

必要な情報をシームレスに取り出すことができれば、複数のシステムにアクセスしたり、管理方法の違うフォルダやファイル構成の中から必要な情報を探し出したりする手間や時間を削減できます。

システムごとに情報を転記する必要がなくなる

PLMと生産管理システムが連携できていれば、各システムに情報を転記する必要がなくなります。

両者が連携できなかったり、転記ルールを守れなかったりすると、新旧の情報が混在してしまうことも珍しくありません。どちらの情報が最新なのかという正誤判断をするためには、元の情報をたどりながら情報を更新しなければならず、システム管理にまつわる作業が増大します。

両者が連携されていれば、担当部門の情報を更新するだけの作業ですみます。各システムへの情報の転記や他部門への報告が必要なくなり、大きな工数を削減できるでしょう。

マネジメントしやすくなる

両者のシステムが連携していると、各部門の進捗がどの部署からも見える化されます。

PLMと生産管理システムで最新情報を確認し、必要があるときにはすぐに指示が出せるため、マネジメントも容易となります。

品質向上のためのデータ・時間が生まれる

PLMと生産管理システムを連携させることで、あらゆる角度から製品や生産に関するデータを得られます。各プロセスから収集・蓄積したデータは、分析し、品質向上へと役立てることも可能です。

情報の一元化によって業務効率化を実現できれば、時間に余裕が生まれます。生み出された時間は、品質の改善や改良、新商品の開発など、さらなる生産性向上を目指す時間に充てることができます。

システム内でノウハウ共有がしやすい

部門別に情報を管理している場合、アクセスできる情報は限定的です。しかし、PLMと生産管理システムが連携されていれば、どの部署からも必要なときに必要な情報を得ることができます。システム間に壁がなくなり、ノウハウ共有をしやすい環境を生み出せます。

ものづくリンクと生産管理システムの連携

ものづくりに関わる情報を一元管理できる、製造業向けのPLMソリューション「ものづくリンク」を紹介します。組立製造業・自動車関連業界の豊富な知見を元にした開発・設計プロセスを革新するPLMです。

ものづくリンクには、ファイル連携・DB連携・API連携の実績があり、柔軟な連携の対応が可能です。

また、ユーザーライセンスフリーなので、連携先が増えることでライセンス費用が発生することもありません。

ものづくリンクのデータは、文字コードの業界標準規格“Unicode”で保持しています。そのため、海外の生産システムとも親和性の高い連携を実現できます。

まとめ

従来通りの生産管理方法でも製品を生産することはできますが、一元管理すれば、多大なメリットが生み出せる可能性があります。生産管理システムにPLMを組み合わせて、シナジー効果を生み出しましょう。

JSOLが提供するPLMソリューションサービス『ものづくリンク』は、設計・開発、生産準備といったものづくりの過程において各部門で発生する図面や部品表、材料表や生産工程表といったさまざまな情報を「部品表」に統合し、全社レベルで共有できるPLMソリューションサービスです。

生産管理システムとPLMの連携にお悩みなら、『ものづくリンク』にぜひご相談ください。